事務所便り


マイカー通勤手当の非課税限度額が改正されました (2026-05)


◆マイカー通勤手当の非課税限度額が引上げに

令和8年4月1日以後に支給される通勤手当から、マイカー通勤(自動車・自転車等の交通用具を使用した通勤)に係る非課税限度額が改正されました。給与計算や通勤手当の取扱いに影響する内容で、改正のポイントは2つです。

(1) 片道65㎞以上の非課税限度額の引上げ
改正前の非課税限度額は、通勤距離が片道55km以上の人は一律38,700円/月額でしたが、片道65㎞以上について、下記のように引き上げられました。

  • 片道65km以上75km未満 → 45,700円
  • 片道75km以上85km未満 → 52,700円
  • 片道85km以上95km未満 → 59,600円
  • 片道95km以上 → 66,400円

これにより、片道65km以上のマイカー通勤者に対し、これまで課税対象となっていた一部の通勤手当が非課税で支給できる可能性が生じます。

(2) 駐車場料金相当額の非課税限度額への加算
マイカー通勤者が一定の要件を満たす駐車場等(※)を利用している場合、その駐車場料金相当額(上限5,000円/月額)を、通勤距離の区分による非課税限度額に加算できることとなりました。
※マイカー通勤で使用する駐車場等のうち、通勤手当をもらう人の勤務場所の周辺または通勤のために利用する交通機関の駅もしくは停留所その他の施設の周辺にあるもの。

◆対応の留意点

上記は、「令和8年4月1日以後に支払われるべき通勤手当」から適用されます。

自社のマイカー通勤者の通勤距離区分や駐車場代の支給方法について、関連する社内規程等を改めて確認し、正しい給与計算に努めましょう。対象者に改正があったことを知らせておくことも重要です。

【参考】
通勤手当の非課税限度額の改正について(国税庁)
https://www.nta.go.jp/users/gensen/2026tsukin/index.htm

新たな「高年齢者等職業安定対策基本方針」が策定されました (2026-05)


厚生労働省は3月31日、令和8年度から令和11年度までの「高年齢者等職業安定対策基本方針」を公表しました。本方針は、高年齢者がその意欲や能力に応じて活躍できる社会の実現を目的として定められるもので、同省が講じる高年齢者の就業機会増大等に関する施策は、これに沿って展開されます。

◆高年齢者の就業機会増大に関する目標

高年齢者が本人の希望や能力に応じて働ける企業ならびに雇用の場の拡大を図り、令和11年までに以下の目標の達成を目指すとしています。

  • 60~64歳の就業率:79.0%以上 (令和6年:74.3%)
  • 65~69歳の就業率:57.0%以上(令和6年:53.6%)
  • 70歳までの就業確保措置の実施率:40.0%以上(令和7年6月1日現在:34.8%)


◆事業主が行うべき諸条件の整備

上記目標を達成するため、事業者は以下の諸条件の整備に努めるものとされています。

(1) 事業主が行うべき諸条件の整備に関する指針

  1. 募集・採用に係る年齢制限の禁止
  2. 職業能力の開発および向上に必要な職業訓練の実施
  3. 身体機能の低下等に配慮した作業施設の改善等
  4. 職務の再設計等による高齢者の職域の拡大
  5. 高年齢者の知識、経験等を活用できる配置、処遇の推進
  6. 勤務時間制度の弾力化
  7. 事業主の共同の取組みの推進


(2) 再就職の援助等に関する指針(一部抜粋)

  1. 再就職援助措置の実施
  2. ハローワーク等による支援の積極的な活用等


(3) 職業生活の設計の援助に関する指針

  1. 職業生活の設計に必要な情報の提供、相談等
  2. 職業生活設計を踏まえたキャリア形成の支援


【参考】新たな「高年齢者等職業安定対策基本方針」を策定しました|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_71908.html

労働情報ポータルサイト「みんなの労働ナビ」が開設されました~厚生労働省 (2026-05)


厚生労働省は3月13日、労働に関する情報を一括して検索できるポータルサイト「みんなの労働ナビ」を開設しました。近年、転職やリスキリングの需要が高まる一方、企業の労働力確保も重要な課題となっています。これに伴い、求職者や在職者、企業の採用・人事担当者、キャリアコンサルタントなど、幅広い層から労働に関する信頼性の高い情報へのアクセスニーズが高まっており、本サイトはそれらにワンストップで応えることを目的としています。

◆利用者属性や分野に応じて情報を整理

本サイトでは、以下の4つの利用者別に情報を整理し、必要な情報へ誘導する仕組みを整えています。

  • 求職者(就職・転職希望者)・学生
  • 在職者(キャリア形成、働き方)
  • 企業・事業主
  • 支援者(キャリアコンサルタント、教育機関など)

また、知りたい分野ごとの検索や、各種データ・統計等へのアクセスも容易となっています。トップページには「ピックアップ欄」が設けられ、最新の情報や注目すべきトピックが重点的に発信されています。

◆ハローワークの求人・賃金動向を「見える化」

さらに同サイトでは、ハローワークの求人・賃金の動向を地域ごとに「見える化」する特設ページが準備されています。求人数や賃金水準など地域・職種ごとの状況を把握することで、企業は募集職種や地域の相場データに加え、近隣県等のデータを比較・参照することができます。なお、掲載されるデータは3か月ごとに最新のものに更新される予定です。

【参考】
厚生労働省「みんなの労働ナビ」
https://www.mhlw.go.jp/roudou-navi/

厚生労働省「「はたらく」に関する情報が見やすく便利になります」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_70975.html


シフト制労働者の年休取得に関する見直しが検討されています (2026-04)


◆年休付与日数の計算方法

パート等シフト制労働者の年休付与日数について、厚生労働省のリーフレットでは「所定労働日数、労働時間数に応じて年次有給休暇を取得することができます」とありますが、所定労働日数の判断が難しく実務に支障をきたす等のケースがありました。

そのため、政府の規制改革推進会議にて、例えば、雇入れ日から6カ月経過後の付与日数については、過去6カ月の労働日数の実績を2倍したものを「1年間の所定労働日数」とみなして判断することを認めるといった見直しが検討されています。

◆年休取得時の賃金の算定方法

年休取得時の賃金の算定方法についても「平均賃金方式」「通常賃金支払方式」などがあり、いずれを選択するかにより計算式上賃金が大きく減額されることがあるとして、明確化が求められていました。

同会議の中間答申によれば、「時間によつて定められた賃金については、その金額にその日の所定労働時間数を乗じた金額」…が参照されることを、「都道府県労働局への通達や厚生労働省ウェブサイト等において明確化し、広く周知する」、また「労働政策審議会において検討し、結論を得次第、速やかに所要の措置を講ずる」とされています。

◆年休取得率の向上

さらに、労働者や使用者などからの意見聴取の結果を踏まえ、「都道府県労働局へ通達の発出や厚生労働省ウェブサイト等による周知など、シフト制労働者が年次有給休暇を適正かつ円滑に取得できるよう必要な措置を講ずる」とされています。

今後の動向をチェックしておきましょう。

【参考】

規制改革推進に関する答申等
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/publication/p_report.html

いわゆる「シフト制」について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_22954.html

厚生労働省より「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」が公表 (2026-04)


◆小規模事業場へのストレスチェック実施義務化を踏まえたマニュアルが公表

令和7年の改正労働安全衛生法により義務化されることとなった労働者数50人未満の事業場におけるストレスチェックの実施について、令和8年2月25日に厚生労働省より、「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」が公表されました。  

◆マニュアルの内容

マニュアルでは以下の項目を解説しており、巻末資料として、①ストレスチェック制度実施規程(ストレスチェックの社内ルールを規程として作成する場合に利用できるもの)や、②サービス内容事前説明書(委託先の選定・契約の際に利用できるもの)のモデル例を掲載しています。

  1. ストレスチェック制度の実施に向けた準備
  2. ストレスチェック制度の実施体制・実施方法の決定
  3. ストレスチェックの実施
  4. 医師の面接指導及び事後措置
  5. 集団分析・職場環境改善
  6. 労働者のプライバシーの保護
  7. 不利益取扱の禁止
  8. 外部委託ではなく自社で実施する場合の留意点

労働者数50人未満の事業場においては、原則として、労働者のプライバシー保護の観点から、ストレスチェックの実施を外部機関に委託することが推奨されるものとされており、自社で実施する場合については、上記「8」でも極めて慎重な運用が求められると記載されています。

◆施行に向けて早めの準備を

改正法は令和7年5月14日に公布され、「公布の日から政令で定める3年以内の日」より施行されます。マニュアルを確認し、早めに準備を始めましょう。

【参考】

「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」(令和8年2月)
https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/001646587.pdf


令和8年度の年金額・国民年金保険料および前納額が公表されました~厚生労働省 (2026-04)


厚生労働省は1月23日、令和8年度の年金額、国民年金保険料および国民年金保険料前納額を公表しました。総務省公表の「令和7年平均全国消費者物価指数」に基づき、以下の通り改定されます。

◆令和8年度の年金額改定

令和8年度の年金額は、法律の規定に基づき、国民年金(基礎年金)が1.9%、厚生年金(報酬比例部分)が2.0%の引上げとなります。

【令和8年度の年金額例(月額)】

  • 国民年金:70,608円(+1,300円)
    ※昭和31年4月1日以前生まれの方は、月額70,408円(対前年比+1,300円)となります。
  • 厚生年金:237,279円(+4,495円)
    ※平均的な収入で40年間就業した際の、夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な給付水準です。

今回の改定では、物価変動率(3.2%)が名目手取り賃金変動率(2.1%)を上回ったため、現役世代の負担能力を考慮した「名目手取り賃金変動率」を基準に算出されました。ここから「マクロ経済スライド」による調整(国民年金▲0.2%、厚生年金▲0.1%)が行われ、最終的な改定率が決定しました。

◆国民年金保険料と国民年金保険料前納額

国民年金保険料は名目賃金の変動に応じて毎年度改定されており、令和8年度および令和9年度の額は以下の通りです。

【実際の保険料額(月額)】

  • 令和8年度:17,920円(+410円)
  • 令和9年度:18,290円(+370円)

【令和8年度 保険料前納額】

  • 6か月前納の場合:106,300円(口座振替)、106,650円(現金納付)
  • 1年前納の場合:210,530円(口座振替)、211,220円(現金納付)
  • 2年前納の場合:417,150円(口座振替)、418,510円(現金納付)


【参考】

令和8年度の年金額改定についてお知らせします
https://www.mhlw.go.jp/content/12502000/001639615.pdf

令和8年度における国民年金保険料の前納額について
https://www.mhlw.go.jp/content/12512000/001630661.pdf


特定技能・育成就労の分野別運用方針が閣議決定されました (2026-03)


政府は、令和9年4月からの特定技能および育成就労制度に関し、「特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針及び育成就労に係る制度の運用に関する方針及び特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」(以下、「分野別運用方針」という)を1月23日に閣議決定しました。分野別運用方針のポイントは以下の通りです。

◆対象分野と受入れ見込数

対象分野は、特定産業19分野、育成就労産業17分野で構成され、リネンサプライ、物流倉庫、資源循環が新たに追加されます(自動車運送業・航空は特定産業のみ)。これらは人手不足が特に深刻として、分野ごとに受入れ見込数(上限として運用)が示されました。全体の受入れ見込数は、特定技能80万5,700人、育成就労42万6,200人の合計123万1,900人(令和11年3月末まで)です。

◆日本語能力の水準

日本語能力の水準は、育成就労開始時は日本語A1相当(または同等の講習受講)、1年経過時はA1相当以上、本人意向による転籍時はA2.1相当以上、育成就労終了(特定技能1号相当)時はA2.2相当以上、特定技能2号ではB1相当以上が目安です。
分野によって上乗せもあり、例えば自動車運送業(バス・タクシー)では、原則日本語B1を求めますが、日本語サポーターの同乗など一定の条件を満たすとA2.2まで引下げ可能です。

◆転籍、上乗せ基準

育成就労制度では本人意向による転籍が認められており、当面は分野ごとに1~2年の転籍制限期間があります。ほかに、制度の適正性を確保するため、特定の分野で上乗せ基準(事業者の範囲の限定(許認可等)などの追加要件)を設けています。なお、運用要領は追って公開される予定です。

【参考】
育成就労制度に係る制度の運用に関する基本方針・分野別運用方針・運用要領(出入国在留管理庁)
https://www.moj.go.jp/isa/03_00169.html


「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」が改正されました (2026-03)


内閣官房と公正取引委員会は「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」を令和8年1月1日付けで改正しました。

◆改正のポイント

令和8年1月からの「中小受託取引適正化法」(以下、「取適法」という)等の施行に伴い、受注者から協議の要請があった場合に、これに応じず一方的に取引価格を据え置くことは「協議に応じない一方的な代金決定」に該当する旨の明記等がなされました。

◆本指針の性格

本指針は、労務費の転嫁に関する事業者の発注者・受注者の双方の立場からの行動指針であり、12の行動指針に沿わない行為により、公正な競争を阻害するおそれがある場合には、公正取引委員会により独占禁止法および取適法に基づき厳正に対処されます。一方、記載された発注者としての行動をすべて適切に行っている場合は独占禁止法および取適法上の問題は生じない旨、明記されています。

◆改正後の12の行動指針(採るべき行動/求められる行動)

(発注者)

  1. 本社(経営トップ)の関与
  2. 発注者側からの定期的な協議の実施
  3. 説明・資料を求める場合は公表資料とすること
  4. サプライチェーン全体での適切な価格転嫁を行うこと
  5. 要請があれば協議のテーブルにつくこと
  6. 必要に応じ考え方を提案すること

(受注者)

  1. 相談窓口の活用
  2. 根拠とする資料
  3. 値上げ要請のタイミング
  4. 発注者から価格を提示されるのを待たずに自ら希望する額を提示

(双方)

  1. 定期的なコミュニケーション
  2. 交渉記録の作成、発注者と受注者の双方での保管


【参考】
(令和7年12月26日)「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」の改正について | 公正取引委員会
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2025/dec/202512_roumuhi.html


障害者雇用納付金 対象拡大の動きと企業の対応 (2026-03)


障害者の法定雇用率を下回った企業に課される納付金(不足する人数に応じて1人当たり月5万円)の対象について、現在は免除されている常用労働者数100人以下の中小企業にも拡大すべき、との意見が盛り込まれた報告書が、2月6日に公表されました。早ければ令和9年の通常国会での障害者雇用促進法等の改正を目指すと報道されています。

◆企業の対応

上記報告書には、100人以下の企業への納付金対象拡大に肯定的な意見があった一方で、「障害者雇用相談援助事業等を通じた十分な支援等により、中小企業における障害者雇用の進展を確認した後に、改めて検討するべき」との意見があったことも示されました。

障害者雇用相談援助事業では、労働局の認定事業者から、障害者の一連の雇用管理に関する相談援助を無料で受けることができます(原則1年を限度)。

雇用継続に関しては、地域障害者職業センターの「職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援」といった公的支援もあります。

新たに障害者雇用に取り組む企業では、こうした支援を活用しながら具体的な雇用を検討するとよいでしょう。

◆助成金の活用も

障害者雇用では、助成金も大きく分けて(1)障害者の雇入れ等を支援するもの、(2)障害者が働き続けられるよう支援するもの、(3)障害者雇用の相談援助を行う事業者に対するもの、があります。例えば(1)では、試用期間中に職場への適応状況を確認してから本格雇用へ移行することができるトライアル雇用助成金があります。

なお、助成金の支給要件や助成額等は頻繁に変更されるため、活用にあたっては最新情報の確認が必要です。

【参考】
今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会報告書
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_70028.html

事業主の方へ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/jigyounushi/page10.html


「育児休業等給付専用のコールセンター」が設置されています (2026-01)


◆複雑化する実務

今年施行された改正育児・介護休業法の施行に伴い、従来の育児休業給付金に加え、出生後休業支援給付金や育児時短就業給付金が新設され、申請書類や要件等がそれぞれ異なり、実務が複雑化してきています。そして、申請から給付まで、時間がかかることも問題になっています。

◆コールセンターの設置

厚生労働省は、それらの問題を踏まえ11月17日に「育児休業等給付専用のコールセンター」を設置しました。育児休業等給付に関する制度内容や申請手続、電子申請の処理状況の目安に関して、問い合わせに応じてもらえます。

◆問い合わせの対象となる給付金

  • 育児休業給付金(支給期間の延長を含む)
  • 出生時育児休業給付金
  • 出生後休業支援給付金
  • 育児時短就業給付金


◆問い合わせの対象となる内容

  • 給付金の内容や支給要件を知りたい
  • 支給額がどのように計算されるか知りたい
  • 給付金の申請手続を知りたい
  • 支給時期や電子申請の処理の目安を聞きたい
    ※具体的な支給日の回答は行われない


実務担当者にとっては、制度理解と、申請手続の管理、そして社内体制整備が必須実務となるでしょう。不明な点は、このコールセンターを活用してクリアしていきましょう。

【厚生労働省「育児休業等給付専用のコールセンターを設置します」】
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001593629.pdf


失業保険の申請サポートをめぐるトラブルに注意 ~ 国民生活センター・東京労働局が注意喚起 (2026-01)


国民生活センターは、「失業保険の受給額や受給期間が増える」とうたう申請サポートに関する相談が増えているとして、注意を呼びかけました。東京労働局も同様に、「失業保険の金額・期間を増やせる」と宣伝する業者に関するトラブルへの注意喚起を発信しています。失業保険は、ハローワーク(公共職業安定所)での申請と審査に基づき支給される公的支援制度であり、外部事業者が給付内容を増やせるものではありません。

◆過度な宣伝と解約をめぐるトラブルが多発

全国の消費生活センターには、「サポートを依頼すれば受給額が増えると思ったが実際には増えなかった」「途中で解約を申し出たところ高額な違約金を請求された」といった相談が寄せられています。申請サポート契約の中には、広告や勧誘の段階で過度な期待を持たせる表現が使われているケースもあり、契約内容の理解不足によるトラブルが増えています。契約前に、サービス内容と費用、解約条件が妥当かどうかを慎重に確認することが重要です。

◆不正受給を促す悪質な事例も

さらに深刻なのは、不正受給を促すかのような誘導が見られる点です。実際にはメンタル不調がないにもかかわらず「うつ病と診断されるためのマニュアル」が送られてくるなど、虚偽の申請を促すケースが報告されています。不正受給が行われた場合、受給者本人が返還・納付を命じられるほか、詐欺罪などの刑事罰の対象となる可能性があります。事実と異なる申告を求められた場合は、絶対に応じてはいけません。

失業保険は再就職を支援する大切な制度です。事業者との契約に不安を感じた場合やトラブルが生じた場合は、すぐに最寄りの消費生活センター等へ相談しましょう。

【国民生活センター「失業保険の給付額等を増やすことができるとうたう申請サポートに注意 ─不正受給を促すかのようなケースも!─」】
https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20251203_1.pdf

【東京労働局「「失業保険の金額・期間を増やせる」とうたう申請サポートにご注意ください。」】
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/newpage_01662.html


“もにす”認定制度をご存じですか? (2026-01)


“もにす”認定制度とは、障害者の雇用の促進および雇用の安定に関する取組みの実施状況などが優良な中小事業主を厚生労働大臣が認定する制度です。認定事業主になると、以下のメリットがあります。なお、認定に有効期限はありません。

◆障害者雇用優良中小事業主認定マークが使用できる

事業主の広告や労働者の募集の用に供する広告や商品等に認定マーク(愛称:もにす(企業と障害者が、明るい未来や社会の実現に向けて「ともにすむ」という思いが込められている))を付すことができます。

◆周知広報の対象となる

認定事業主の情報は、厚生労働省および都道府県労働局のホームページに掲載されます。また、ハローワークの求人票に認定マークが表示されます。

そのほかにも、公共調達等における加点評価を受けられたり、日本政策金融公庫の低利融資対象となったりする場合があります。

◆認定事業主になれるのは?

常時雇用する労働者が300人以下の中小事業主であって、

  1. 障害者雇用への取組み、取組みの成果、それらの情報開示の3項目について、項目ごとの合格最低点に達しつつ、合計で50点中20点以上を獲得すること
  2. 法定雇用率を達成していること
  3. 過去に認定を取り消された場合、取消しの日から起算して3年以上経過していること
  4. 雇用関係助成金の不支給措置を受けていないこと 等

の基準を満たした場合に認定事業主になれます。なお、認定の申請は、事業主の主たる事業所を管轄する都道府県労働局で行います。

◆制度見直しの動き

厚生労働省は、“もにす”認定の基準を、より質を的確に評価する内容に見直し、新たに大企業も対象に加える等の案を、「今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会」に示しました。今後の制度見直しの動きにも注目です。

【厚生労働省「障害者雇用に関する優良な中小事業主に対する認定制度(もにす認定制度)」】
https://www.mhlw.go.jp/stf/monisu.html